子どもひとりにかかる費用は3000万円超⁉知っておきたい子育て費用
子育てをするうえで考えておきたいことのひとつが「お金のこと」。進学に伴う教育費に加えて
日常の養育にかかる費用などを含めると、その総額は3000万円を超えることも少なくありません。
いつ、どのタイミングで、どのぐらいのお金が必要になるのか知っておきましょう。
食費や被服費、レジャー費など…養育にかかるお金
子どもにかかるお金というと、真っ先に頭に浮かぶのは「教育費」かもしれません。ですが
実際に子育てが始まると、シーズンごとに衣類を買い足さなくてはならなかったり、
おもちゃ代やレジャー費などがかかってきたり…と、乳幼児期であっても養育にかかわる
さまざまな出費が発生します。
・教育費を抜いた“養育費”でも1640万円かかる
AIU保険がかつて実施した「AIUの現代子育て経済考2005」によると、子どもが大学を
卒業するまでの22年間にかかる養育費の推計はおよそ1640万円にものぼるそう。食費や被服費、
医療費や理美容費、お小遣いなどがこれに含まれています。年間に75万円ほどかかる試算になりますが、
「オムツ代やミルク代が思ったよりもかさんでしまった」「サイズアウトが早くてシーズンごとに
服を買いなおさなければならなくなった」といったケースも少なくありませんので、
年間100万円程度は備えておくのが無難です。
(参考)教育再生懇談会
教育費は公私どちらに進学するかによって大きな差が
教育費は子どもの進路によって大きく差が分かれます。
文部科学省が行った「平成28年度子供の学習費調査」によると、すべて公立に通った場合は
約540万円であるのに対し、すべて私立に通った場合では1770万円とその差は歴然。学校種別ごとに
比較していきましょう。
・助成制度を利用すれば私立のハードルもそれほど高くない幼稚園
公立幼稚園に通った場合の1年間の学習費は23万4000円、私立幼稚園に通った場合は48万2000円と
2倍以上の差があります。とはいえ、私立幼稚園に通った場合の補助金制度を設けている自治体も多く、
保護者の所得に応じて一定の金額が助成されるため、実際の負担額は軽減されるケースがほとんどです。
公私の教育費差は2倍程度ですが、助成制度を利用すれば私立幼稚園入園もそうハードルは
高くないといえそうです。
・私立なら年間150万超。公私差が一番大きい小学校
公立小学校に進学した場合、1年間にかかる教育費は32万2000円、私立小学校に
進学した場合152万8000円と、公私で4.7倍もの差がある小学校の教育費。私立小学校へ進学する場合は
大きな出費を覚悟しなければなりません。また、私立小学校入学を目指す場合、幼稚園在園中に
進学のための塾に通うケースが多く、学校外学習費も多く見積もっておく必要があります。
・中学校は塾などの「補助学習費」が増える傾向に
公立中学校に進学した場合、1年間にかかる教育費は47万9000円、私立中学校に進学した場合
132万7000円が平均です。中学校にあがると公立に通っている場合であっても、学習塾や進学塾に
通い始めるケースが多く、補助学習費がかさむ傾向があります。
・進学希望なら「補助学習費」は必須な高等学校
公立高等学校(全日制)に進学した場合、1年間にかかる教育費は45万1000円、私立中学校に
進学した場合104万円が平均。進学を希望している場合は塾など進学に備えた費用が必要となります。
(参考)子供の学習費調査の公表について
大学進学は進学先にかかわらず大きな出費に
大学進学については、株式会社日本政策金融公庫が行った「平成29年度教育費負担の実態調査結果」を
基に解説します。私立大学の入学費用は学部・学科によっても異なりますが、理系で87万円、
文系で92.9万円、国公立大学で69.2万円が平均。この入学費用には受験費用と学校納付金、
入学しなかった学校への納付金が含まれます。
さらに学校教育費や通学費を含めた「在学費用」は理系で年間180.2万円、文系で161.3万円、
理系の国公立大学でも108.5万円と、公立に進学した場合であっても大きな出費になるのは
覚悟したいところです。また、大学が遠方で自宅からの通学が難しい場合の仕送り額の平均は
年間で93万円程度といわれています。
また、子育てに掛かる費用の総額として、3000万円を例にあげましたが、
高校生で海外留学をする場合は、今までの費用にさらにプラスアルファの費用が必要になります。
留学先をアメリカの大学と仮定した場合。
卒業だけでも1000万から3000万の費用が掛かり、かなりのお金が必要になるでしょう。
ただし高校生で留学をする場合は、奨学金を利用することで出来るだけ安価にすることが可能です。そのため子供の将来設計として、早い段階から計画的な積み立てや、方向性を決めておくといいでしょう。
奨学金をうまく活用するのも手です。成績や英語力、単位にもよるようですが、返済義務がない奨学金もあるようです。子供の将来のためにも早めに動きたいですね。
すべて公立で進学した場合であっても、大学卒業までの22年間にかかる出費は大きなもの。
奨学金制度や国の教育ローンを利用する方法もありますが、学資保険に加入したり、定期預金を
活用したり…と、できる限りの備えをしておきたいものですね。